Quantcast
Channel: おいやんのODジープ生活
Viewing all articles
Browse latest Browse all 1230

レスキュー

$
0
0
「助けてください!」

ウチへも時々配達に来る宅配ドライバーから、突然かかった緊迫した電話。

「どうした!」と問えば、「女の人が車の下敷きに!」と。

「ななな!なにーーっ!」場所は当家から100mばかり登った所。

取る物もとりあえずマイスーパーカブにて現場に急行すると、乗用車の右前輪に右足のつま先から足首までを踏まれて横たわる女性の姿。

事故車は左後部が浅い角度でガードレールにぶつかって、辛うじて止まっている状況。

どうやらその女性、急勾配の路肩に停車して降りた途端、サイドブレーキの引きが甘くバックで動き出し、自ら開けた運転席ドアに押されるままに連れて行かれて最後に仰向けに転倒、そのまま自車に右足を踏まれたようである。

宅配ドライバーはその瞬間に遭遇、抱えてた荷物をほっぽり出して追いかけ、自由滑走し始めた車にどうにか追いつきブレーキを踏んだそうだが間に合わなかったらしい。

よほど必死で走り、ブレーキペダルに足を乗せるまでの間、決死の思いで重力に抗ったのであろう。

彼自身もズボンはボロボロ、脚からは血も流れている。

ガードレールにぶつかって止まったまではよかったが、止まったちょうどその位置の、前輪の下に足が挟まってるんだから、運が良いのか悪いのか・・・

運転席を見れば、宅配ドライバーの手によって既にPレンジに入れてあり、サイドブレーキも目一杯引かれているが、どの道タイヤの下には女性の足があるワケだから、FFである自車の駆動力で前進させることは出来ない。

即座に70mほど離れた工房へ取って返し、エアージャッキを掴んで戻る。

「大丈夫や!すぐに出したるからな!」すでに顔面蒼白となった要救助者にそう声を掛けながらエアジャッキを事故車の下にセット。

一番近くにあった宅配車を近くに寄せさせ、その排気管にエアジャッキのホースをつなぐ。

「エンジン吹かせ!」

俺にそう言われ、おそらく意味も解らぬまま宅配車のアクセルを踏むドライバー。

ゆっくり事故車が持ち上がり始める。

『もうタイヤが浮く』そう思った次の瞬間、車が要救助者の側に横滑りしそうな挙動を示す。

『アカン!下敷きになった足を更に踏みにじってしまう!』

慌てて排気管からホースを外す。

エアジャッキは一度膨らむと、ワンウェイバルブによってすぐには凹まない。

膨らんだ状態を、そのまましばらく維持してくれるのだ。

「少し楽になった」と言う要救助者をあとに、再度工房へ取って返して今度はチルホールと台付けロープを掴んで戻る。

要救助者側に滑らぬよう、ガードレールの支柱にチルホールをセットして慎重にテンションを掛け、再度宅配車からエアジャッキに排気ガスを充填。

じわじわとタイヤが浮く。

そしてたまたま通りがかった近所の若い衆と二人、女性を抱え無事救出に成功。

事故発生から、おそらく5~6分ほどだったろうと思われる。

その間に宅配ドライバーは救急車を要請、ほどなく駆け付けた救急隊員によって、女性は病院に搬送された。

その場に偶然宅配ドライバーが居合わせたこと、彼が機転を利かせて即座に俺を呼んだこと、救出作業中にたまたま若い衆が通りがかってくれたこと。

様々な偶然とその場その場の三者三様の機転が重なって、短時間に救助出来た事は本当にラッキーだったと言える。

単にレスキュー隊の到着を待っていたら、彼女はその何倍もの長時間、痛みに耐え恐怖と対峙することとなっていただろう。

元はと言えば、ジープで「四駆遊び」するために揃えた道具だが、なかなかどーして。

使い方次第でマジのレスキューもこなす、至極の逸品 二種。

あ~・・・ひさびさにドキドキした・・・(-_-;)
イメージ 1

Viewing all articles
Browse latest Browse all 1230

Trending Articles